季節によって姿を変え、それでも毎年おなじ場所で美しく咲く花。
その光景をあたりまえとは思えなかったことが花を描き始めたきっかけと。
「あたりまえとは思えなかった」という彼女の目線にハッとさせられてしまいました。
確かに花たちは美しいだけではない。
そこに存在するための計り知れないストーリーがあるのだと思います。
たおやかで、はかなくも、したたかに、美しい姿で戦略的に鳥や虫を誘う。
チカラいっぱい天にのばした、めしべやおしべは、叫びにも似た自己主張をたずさえている。
種を紡ぐためには自らの姿すら変えてしまうほどの花の強さを表現したい。
そのために練り上げられた彼女独自の技法は、
まさに花が花粉に込めた思いと同じ熱量を感じます。
彼女の創りだす花の生命力と迫力を感じて頂きたいと思います。
Gallery Calcolare 村上 式子